漢方概説について

漢方概説


漢方は中国で生まれた体系医学です。その期限は遠く2千年以上も昔にさかのぼります。そして、日本にも古くから伝わり、独自の発展をとげました。




漢方の特徴は、体全体をみるということです。体全体の調子を整え、病気を治していくのです。ですから、そのときどきの症状だけでなく、一人ひとりの体質も診断します。このときの体の状態をあらわすのが「証(しょう)」という概念です。この考えは、西洋医学が臓器や組織に原因を求めていくのとは対照的です。漢方のよさは、薬そのものよりも、証にもとづき「人をみる」という、その考え方にあるといっても過言でないでしょう。




漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。たとえば、葛根湯(カッコントウ)は、主薬の葛根(カッコン)、麻黄(マオウ)、桂皮(ケイヒ)、生姜(ショウキョウ)、大棗(タイソウ)、甘草(カンゾウ)、芍薬(シャクヤク)の7種類の生薬からできています。これらの生薬が互いに協力しあって効力を発揮するのです。


現在、病院では、服用が簡単な「エキス剤」が広く使われています。これは、煎じ薬を濃縮乾燥させたもので、そのままお湯に溶かすだけで飲めます(一部の専門外来では、生薬のまま調合することも)。ふつう、漢方薬は吸収のよい食前または食間(空腹時)に服用します。



漢方薬に副作用はほとんどありません。けれど、少しはあります。たとえば、葛根湯では、飲みすぎると心臓がドキドキしたりします。とくに、複数の漢方薬を併用するときなどは注意が必要です。



漢方薬の個々の処方を「方剤(ほうざい)」といいます。現在、葛根湯をはじめ約160種類の方剤が病院で使われています。もちろん、保険もききます

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