11年出生率、横ばい1.39

2011年の合計特殊出生率は、前年と同じ1.39だったことがわかった。厚生労働省が近く、人口動態統計の中で公表する。05年を底に上昇傾向が続いていたが、ここに来て回復の歩みが鈍くなっている。若者向けの子育て支援や働く場の環境改善などの政策論議にも影響を与えそうだ。

 出生率は戦後、晩婚・晩産化の影響で下がる傾向が続き、05年には過去最低の1.26まで落ち込んだ。その後は上昇に転じ、08年に1.37まで急回復した。女性が30代後半になって出産を急ぐ傾向などが、後押ししたとみられている。ただ、その後は回復ペースが失速気味で、09年は前年比で横ばいに。10年はわずかに上昇したものの、11年は再び横ばいとなった。

 この数年の傾向を反映し、国立社会保障・人口問題研究所は今年1月、50年先までの出生率の見通しを上方修正している。ただ、今後も生涯未婚の女性の割合が増えたり、夫婦がもうける子どもの数が減ったりするなど、少子化の傾向が続くとみており、出生率も低下基調を見込む。同研究所の推計では、20年代前半には1.33程度になり、その後は1.35前後で推移する見通しだ。

また、第1子出産時の母親の平均年齢は30・1歳と、初めて30歳を超えた。1975年は25・7歳だったが、30年後の05年には29・1歳に上昇。10年は29・9歳だった。

 また、平均初婚年齢も男性が30・7歳、女性が29・0歳で、ともに前年を0・2歳上回り、過去最高を記録した。

 11年に生まれた子どもの人数である出生数は、前年比2万606人減の105万698人で、統計を始めた1947年以降で最も少なかった。出生数を大きく左右する34歳以下の母親の出産が減少傾向にあるためだ。ただ、35歳以上の出産は増加傾向にある。

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